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イベント
2025.12.03

SOMPO介護月間 「セミナー 共に生きる~認知症を考えるセミナー~」編

11月は、私たちSOMPOケアが「SOMPO介護月間」として、介護について一緒に考える特別な1ヶ月です。
今年は、「食と学び、そして“つながり”で創る介護の未来。」をテーマに、介護にまつわる “不” を見つめ直し、その解消につながる様々なイベントを各地で展開しています!

社内報WATCHでは、これまでにも以下のイベントを掲載しています。ぜひ、ご覧ください!

・SOMPO介護月間 スタート

・「スペシャル御膳」&「そんぽのカレー」編

・「セミナー ~最新の認知症予防対策とは~」編

・「SOMPOウェルビーイング グループ合同社内報」編 

・「オリジナルチーズハンバーグ提供開始」編

今回は、11月25日に開催した「共に生きる~認知症を考えるセミナー~」の様子をお届けします。

セミナーの概要・登壇者紹介

今回は、若年性認知症の当事者である 山中しのぶさん と、その活動を一番近くで支えるご長男の 山中蓮さん をゲストにお迎えしました。

しのぶさんは、2019年にアルツハイマー型認知症と診断され、その後「一般社団法人セカンド・ストーリー」を立ち上げ、デイサービス「でいさぁびす はっぴぃ」を開所。2025年には日本認知症本人ワーキンググループ代表理事に就任し、本人の立場から国内外へメッセージを発信されています。

蓮さんは、ご自身の仕事を続けながら、家族として、一番近くでしのぶさんの活動と生活を支え続けてこられたお立場です。今回の認知症を考えるセミナーでは、

1.しのぶさんから「診断された日から、これまでの想い」
2.蓮さんから「家族としての受け止めと葛藤、共に歩む中で見つけた幸せ」
3.お二人の本音を伺う座談会

という流れで、当事者と家族の視点からお話しいただきました。

しのぶさんが歩んできた“これまで”

しのぶさんは、診断を受けた日から現在までの歩みを、率直な言葉で語ってくださいました。

・2019年に若年性アルツハイマー型認知症と診断されたときの驚きや不安、日常が急に変わっていく感覚
・お母さまに病気を打ち明けた際、「ごめんね」と涙ながらに謝罪されたが、「お母さんで良かった」と逆に感謝を伝えたエピソード
・何も手につかず布団から出られなくなるほど未来が見えなくなったこと
・しかし、同じ若年性認知症の診断を受けた方が“笑顔で今を生きている姿”を見て、「一人じゃなかった」と思え、前に進む一歩が踏み出せたこと
・診断後、「認知症になってからのセカンドストーリー」として法人設立やデイサービス開所に踏み出し、自分も“支えられる側”だけでなく“支える側、働く側”として地域に関わり続けていること

そして今回、しのぶさんが特に強調されていたのが、「本人の声を聴く」 という姿勢でした。

 「はい/いいえ」で終わらない問いかけを意識すること
 言葉だけに頼らず、写真などの視覚情報を使いながら意思を引き出す工夫
 あわてず、“本人の言葉が出てくるのを待つ”という寄り添い方
 本人の意思を尊重できるよう、周囲の「環境」を整えること

こうした実践からは、「認知症になっても、自分らしく生きる道は選べる」というメッセージが、しのぶさんご自身の言葉を通して伝わってきました。

蓮さんが語る、家族としての向き合い方

蓮さんは、「家族としてどう受け止め、どう支えてきたのか」を丁寧に話してくださいました。

・高校時代に母の変化に気づき、診断を知ったときの戸惑いと、理解へと変わっていった気持ち
・大学で「認知症は誰にでも起こりうる」と学び、診断後にさらに明るく元気になった母の姿を見て、認知症のイメージが希望に変わったこと
・母と立ち上げたデイサービスに誇りを持ち、「本人のやりたいことを実現できる環境」を大切にしながら、自身も寄り添い続けたいという思いを語られたこと

蓮さんの話からは、「家族は“支える側”である前に、一緒に学び、一緒に変わり、一緒に成長する存在」であることが静かに伝わってきました。
そして、最後には「認知症になっても母のように笑顔で過ごすことが何よりの薬。そんな想いを込めた明るい街をつくりたい」という、力強く温かいメッセージが語られました。

“ひとりじゃない”社会に向けて

しのぶさん・蓮さんの講演に続いて、両氏と日頃から親交のある経営企画部デジタル推進室の韓さんを交えた座談会が行われました。ここでは、事前に寄せられたSOMPOグループ職員からの質問にもお答えいただきました。

その中でも印象的だったのが、「認知症診断を受けた父を施設に入れるべきか迷っている」という相談。

しのぶさん:
「何よりも本人の意思を尊重してほしい」

蓮さん:
「本人の気持ちは大切。でも、大事な家族を任せるなら、自分が“信頼できる”と思える施設でなければ不安になる」

という率直な声が語られました。“選ばれる存在であること”も、私たち介護事業者の大切な役割であると考えさせられる場面でした。

また、二人が「いま幸せだと感じる瞬間」についても語られました。
しのぶさんは“家族でご飯を囲む時間”や“はっぴぃで過ごす温かな空間”、
蓮さんは“家族旅行”や“小さな場面で母からもらう『ありがとう』”を挙げられていました。

そして最後には、スタジオの画面に映る蓮さんの顔を見たしのぶさんが
「よく見ると、顔が似ているね」と笑いかける場面もあり、オンライン越しにも温かさが広がる座談会となりました。

介護月間の学びを、日々のケアへ

今回のセミナーでは、

・認知症の当事者自身が大切にしている「生き方」や「しあわせの感じ方」
・家族として、悩みながらも支え続けてきたリアルな声
・誰もが「ひとりじゃない」と感じられる居場所を、地域の中にどうつくっていくか

が、当事者と家族それぞれの立場から語られました。
SOMPO介護月間の取り組みを、一度きりのイベントで終わらせるのではなく、日々のケアやご利用者さま・ご家族との関わりを見つめ直すきっかけにしていきたいと思います。

 

このあともSOMPO介護月間の取組みは、順次お届けしていきます!
ぜひ、引き続きご覧ください!

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ABOUT USこの記事を書いた人

髙田 和寛
好きな表現は、「ポップ」。 好きな感性は、「ワクワク」。 記事へご出演いただいた方を輝かし、自分らしさが伝わるライティングを目指します!