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連載
2025.12.30

Future Care Lab in Japan通信 Vol.15

この連載ではFuture Care Lab in Japan(以下FCL)という研究所について、何を目指し、どんなことをしているのかをご紹介していきます。

 

第15回目は『介護テクノロジー展示会見学レポート』

最新のテクノロジーや今後の動向を知ることは、今まで解決できなかったことができるようになるなどの新たな発見につながります。そのため、課題解決のアイディアを生む上で重要な活動の一つです。

今回は、介護業界 日本最大級の展示会である、国際福祉機器展(H.C.R.)を見学してきましたので、その内容の一部を共有します。

― 国際福祉機器展(H.C.R.)とは? ―

国際福祉機器展 H.C.R.(Int. Home Care & Rehabilitation Exhibition)は、アジア最大規模の国際展示会です。自助具から最先端技術を活用した介護ロボットまで、世界の福祉機器を一堂に集めています。

移動機器、移動補助製品、ベッド関連用品、介護ロボット、ICTツール、リハビリ機器など、福祉機器全般が展示。約500社が出展し、およそ1,000ブースで最新技術を展示。海外からも多くの企業が参加していました。

毎年東京ビッグサイトで開催され、最新の動向などをリサーチするにはもってこいの展示会です。

開催地の東京ビッグサイトは、FCLからすぐに行って帰って来られる近さの場所にあります。

― 展示会の様子 ―

SOMPOグループの一員であるNDソフトウェアも大々的に展示をされていました。
ブースはいつも活気があって、勢いを感じます。

眠りSCAN(睡眠測定センサー)でお世話になっているパラマウントベッドさま。本来ベッドメーカのはずですが、展示にベッドの姿はなく、眠りSCANをはじめ、排泄センサー、オムツセンサーなど、センサーメーカーさながらのラインナップでした。トイレセンサーは、ラヴィーレ洋光台で実証させていただきお世話になりました。
(WATCH FCL通信Vol.5を参照 https://www.sompocarewatch.com/rensai/19161/

 

そのほか、海外メーカーを含むさまざまなメーカーが、それぞれの技術で、介護業務にいかせるような製品を展開していました。

最近の動向として、AI画像解析による転倒検知や姿勢推定、生成AIを使った業務効率化製品が多く出ているように感じます。その中で一つだけ紹介を。

こちらはスマホやタブレットのカメラで撮影すると、AIが骨格を推定し、バランスを測定してくれるテクノロジーです。昨今の生成AI技術により、ほんの数秒で結果をフィードバックしてくれます。

実際に私も測定してもらうと、現在の骨格から、数年後の推定体型が右側に表示されました。近い未来にこのような体型になることを想像し、こころ新たにトレーニングに精進したいと思うのでした。

― テクノロジーができること ―

このような展示会では、最新テクノロジーの紹介とともに、それらを導入すればすべてを解決してくれるような説明を受けることが多いです。しかし、テクノロジーが介護現場の課題すべてを解決してくれるわけではないことも忘れてはなりません。

介護とは、一人ひとりのご利用者さまの身体状況、精神状態、生活習慣、価値観に合わせた個別性の高い支援を行うことです。製造業界の工場のような決められた環境下で、同じ製品を効率的に大量生産するのとは根本的に異なります。

介護現場の課題は、現場の環境や働く職員の構成などによってもさまざまなはずです。

目指したい介護観に対して、現状のGAP(課題)がどのようものかを整理するところから始め、それを解決するために、何が必要なのかを現場の皆さんと話し合っていくことが必要なのだと思います。導入にお金がかかるテクノロジーでなくとも、何か一つ、たとえば慣習的に行っていた一律介助を、本当に必要なご利用者さまだけにするだけでも業務改善することはできます。

テクノロジーは課題解決の手段の一つにすぎません。

現場の課題について、お話を聞かせてください。一緒に解決できればと思います。

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ABOUT USこの記事を書いた人

Future Care Lab in Japan
Future Care Lab in Japanです。 人間とテクノロジーの共生による持続可能で魅力ある新しい介護のあり方を創造します。