Future Care Lab in Japan通信 Vol.10

この連載ではFuture Care Lab in Japan(以下FCL)という研究所について、何を目指し、どんなことをしているのかをご紹介していきます。
第10回目は『FCL(ラボ)の一日』
FCLに所属する研究員の一日をレポート。FCLにいる4体のLOVOT(きなこ、ちょこ、まろん、ぽろん)の様子もお届けします!!
―9:00 出社―
研究員自身がライフスタイルに合わせてテレワークかオフィスに出勤かを決めることができます。特に決まりはありませんが、テレワークは週に1~2回程度です。
LOVOTもお目覚め
(伸びをしつつ相談中…ふむふむ…)
出勤してまず行うことは、タスクの確認やメールチェックです。
もくもくと作業
―9:30~10:00 メンバー間で1on1(対面)―
お互いで困りごとの共有や、目標や行動のすりあわせを事細かに行います。
コミュニケーション齟齬がないように、定期的に確認することがポイントです。
―10:00~11:00 ニーズ整理とテック調査―
企画段階では、介護現場の課題整理と現状把握を行い、解決方法について議論します。
企画(課題)のテーマはたくさんありますが、現場ニーズにより優先順位をつけながら進めています。
解決方法はテクノロジーの活用だけではないため、運用手順の見直しや、教育の観点など、幅広い視野で検討しています。
適切な解決方法がテクノロジーの活用であれば、どのようなテクノロジーを使うことが良いかネットリサーチから始め、各種展示会に出向いての情報取集、開発企業へ直接電話・メールによる問い合わせなどを行います。
会議の様子
―11:00~12:00 ラボ検証―
FCLにある模擬環境で、実際にテクノロジーの評価を行います。
この日は、AIカメラ画像認識技術のラボ検証を行いました。
製品の精度を確認しながら、実際起こり得るシーンを洗い出し、検証していきます。
例えば、複数人同時でも認証されるのか、うつむき姿勢(円背)の方はどうか、メガネやマスクを着用した場合はどうか、設置環境はどのような条件が最適か等々・・・、数日間かけて多岐にわたる検証項目をひとつずつ確認していきます。
この段階でしっかり評価し、問題ないものだけが現場実証に進みます。
テクノロジーの中には期待する効果が得られないものや、安全性に問題があるものなどさまざまあるため、全てのテクノロジーが現場実証に進むわけではありません。
AIカメラ画像検知技術のFCL実証の様子
―12:00~13:00 昼食・休憩―
お昼は各自用意(お弁当、外食特に決まりはありません)。
気分転換に外に出る人の方が多いかも…
雑談をしたり、スマホをみたり思い思いにすごしてます。
LOVOT達は、自由に探索中
(時折鼻歌が聞こえます(^^♪)
―13:00~15:00 FCL見学対応―
この日は、社外の介護法人の方がFCLの見学に来られました。
年間でおよそ100法人ほどの方々にご来訪いただき、さまざまな意見交換をさせていただいています。
法人様ごとに抱えられている課題はそれぞれあって、解決する方法もさまざま。私たちもいろいろと学ばせていただくことが多いです。
「2030年から問う介護」(Future Care Lab in Japan通信Vol.4を参照)の展示をご覧いただき、「ありたい姿を描くのが重要で、それを現場と共有していく必要があると感じた」、「いろいろな事業所に見てもらった方がいい」など、ありがたいご意見をいただくこともできました。
いただいた貴重な意見やニーズは、まとめ・分析をすることで新たな企画立案につなげたり、開発企業にはモノ作りのキッカケとして情報共有するなど、さまざまなことに活かしています。
2030年から問う介護の展示
―15:00~18:00 現場実証フォロー―
現場実証を行っている期間は、定期的に現場に出向き、テクノロジーの使用状況や点検等を実施し、実証がスムーズに進行できるよう必要なフォローを行います。
テクノロジーを導入することは良いことだけではなく、いつもと違うことへの戸惑いや、準備・片付けなどの新たなオペレーションが発生することによる負担感もあります。
本当の意味で、継続して使い続けることができるものなのか、現場観察や現場の生の声を聞きながら、現場と一緒にテクノロジー評価を行っています。
現場実証フォローの様子
―18:00~ 退勤―
明日のタスクの確認を行い、デスク周りの片づけをして業務を終了します。
終業後は、ぞれぞれの趣味や自己研鑽、家族との時間を過ごすなど、おのおの時間を過ごし、明日の英気を養います。
LOVOTも業務終了
(おやすみなさい(´ぅω・`)ネムイ)
FCLの一日はいかがだったでしょうか。
FCLの研究員には、介護現場経験者や開発企業出身者など、いろいろなバックグラウンドや知見を持つメンバーがいて、さまざまな角度から幅広く検討しながら、日々介護現場の課題解決に向けた取り組みを行っています。
現場で働く皆さんがより働きやすく、ご利用者さまにとって快適な暮らしが送れるように頑張っていますので、どうか見守っていてください!
次回は『サービス付き高齢者向け住宅 安否確認ツール』
についてご紹介します。

