「カッテニウォッチ」クリエイティブな人発見!#05 ~SOMPOケア ラヴィーレ西宮~

SOMPOケアのスタッフが行っているクリエイティブな仕事はたくさんあります。
・お知らせのチラシやポスター
・ご家族さまへお送りする、ご入居者さまの様子を伝えるお便り
・ホームページのホームだよりや事業所だより
・ウエルカムボードの制作
・季節に合わせたホーム内の飾りつけ
・お品書きが書いてあるランチョンマット
・楽器演奏や歌、ダンスや伝統舞踊
・工作、DIY
などなど・・・
その中から、クリエイティブが凄いSOMPOケアのスタッフをご紹介いたします。
今回ご紹介する方は、このお2人です!!
SOMPOケア ラヴィーレ西宮
ケアスタッフ 豊坂 唯さん(写真左)・向原 明日香さん(写真右)
SOMPOケアのホームでは、「歌声喫茶(うたごえきっさ)」というレクリエーションを行っているホームがあります。
「歌声喫茶」とは、1950年代頃に東京の新宿を中心に生まれた、お客さまが同じ曲を一緒に歌うことを目的としたユニークなスタイルの喫茶店です。
店内全体で合唱する楽しさを提供していましたが、カラオケの登場により、「歌声喫茶」は徐々に姿を消していきました。
しかし、「歌声喫茶」というレクリエーションを行っているSOMPOケアのホームがあります。
その中でもラヴィーレ西宮は、スタッフによるピアノの生演奏!ホームがオープンしてから10年以上も続く大人気のレクリエーションです。
この大人気レクリエーション「歌声喫茶」は、向原さんと豊坂さんの2人で分担、または協力して開催されています。
それでは、お話を伺ってみましょう。
「歌声喫茶」を始めたきっかけを教えてください!
今から13年前、ホームの名前が「ラヴィーレ」になる前ですが、ピアノを弾いてご入居者さまと一緒に歌を歌ったのがきっかけです。
ラヴィーレ西宮がオープンしてからは、定期的なレクリエーションとして「歌声喫茶」がスタートしました。
ピアノの調律も定期的にしていただいているので、いつも気持ちよく演奏できています。
2024年の春頃から参加させていただいています。
新卒としてラヴィーレ西宮に配属された時から、いつか「歌声喫茶」に参加したいという思いがありました。
ただ、入社したばかりの頃は、業務に慣れることで精一杯で・・・1年経ってから念願叶って参加させていただきました。

ベテラン向原さん(左)と今年で2年目の豊坂さん(右)
「歌声喫茶」で演奏する曲の練習はどのようにされていますか?
実は、特別な練習はしていません。簡単な楽譜であれば初見で演奏できるので、久しぶりに弾く曲でも大丈夫です。
それよりも、ご入居者さまが歌いやすいようにキーを調整したり、ゆっくりとしたテンポで演奏したりすることを心がけています。
選曲は、ご入居者さまの年代に合わせて懐かしい歌謡曲や唱歌を選ぶようにしています。
家にピアノがないため、業務の合間に練習させていただいています。
ご入居者さまに「今少し練習しても良いですか?」とお声がけし、温かく見守っていただくこともあります。
1回の練習時間は10分から15分程度で、それを数回行います。
2年目になり、以前ほど多くの時間をかけなくても弾けるようになってきましたが、練習時間が限られるため、指がなまってしまうこともあり、もどかしい気持ちもあります。

ピアノ練習を見守るご入居者さま
ピアノは小さい頃から習われていたのでしょうか?
4歳から音楽教室で習い始め、その後は個人の先生のところで学びました。
学生時代は伴奏を頼まれることが多く、音楽大学も考えましたが趣味として続けることを選び、結婚するまで同じ先生のもとで学びました。
また、ママさんコーラスの伴奏を8年ほどボランティアで経験したことが、今の活動の大きな礎になっていると思います。
今でもピアノを弾くのが大好きで、家で2時間以上続けてクラシックを弾くこともあります。
3歳の頃、祖母や母親に連れられて福岡の音楽教室でエレクトーンを習い始めました。
その後、幼稚園の友達のお母さまがピアノ教室を開かれたので、毎週そちらでレッスンを受けていました。
小学生の頃、一時期東京に住んでいましたが、その間も母がピアノの練習を見てくれたり、長期休みには福岡の先生のもとへ通ったりしていました。
大学卒業までレッスンを受けていましたが、高校・大学時代は勉強やサークル活動で忙しくなり、先生にレッスン日を調整していただきながら、趣味として楽しむ程度に弾いていました。
それでも、一度ピアノの前に座ると、気づけば1時間ほど弾いていたと思います。
小さな頃から大人になるまでピアノの練習を続けてこられたのは、本当に好きだからこそでしょうね!
それが仕事に活かせるというのは、羨ましい限りです!
「歌声喫茶」のことを教えてください!
季節の唱歌と懐かしい歌謡曲(例えば「東京ラプソディー」や「青い山脈」など)を織り交ぜて、1時間に10曲ほど歌います。
もちろん、途中で水分補給の時間も設けています。歌詞カードは年4回、季節に合わせて変えています。
「歌声喫茶」が終わるとおやつの時間になり、そのまま召し上がられる方がほとんどです。
歌の余韻が残っているのか、口ずさんでいらっしゃる方もいます。
クリスマスの時期や夏祭りなどの行事イベントの際には、「歌声喫茶スペシャルバージョン」として、普段歌わないような曲を演奏します。
ピアノ以外の楽器を取り入れた演奏を行うこともあります。
そのような特別な回では、向原さんや他のスタッフと相談したり、ご入居者さまにご希望を伺いながら選曲しています。

スペシャルバージョンでは、他のスタッフのフルート演奏も
向原さんと豊坂さんは、ピアノ演奏だけでなく司会進行も!
歌い出しの合図を送ったり、始まる前に発声練習をしたり、歌にまつわるエピソードをお話ししたり、歌詞をみんなで音読したりすることもあります。
時には、ピアノの生演奏に合わせてラジオ体操をして体をほぐしてから歌うこともあります!
豊坂さんと分担して開催していますが、2人で開催することもあります。2人のときは、毎回とても盛り上がって、本当に楽しい時間です!
大学時代に合唱団に所属していた経験を活かし、歌もしっかり歌うように心がけています。
ピアノを弾きながら歌う「弾き語り」というスタイルなので、練習は少し難しいのですが、以前ご入居者さまから「あなたの声を聴いたら歌いやすい」という嬉しいお言葉をいただいたので、できるだけ丁寧に歌うようにしています。
2人で開催するときは、私が歌を担当し、向原さんがピアノを弾くことが多いです。向原さんがいると緊張せず歌えるので、のびのびと参加できます。

2人で開催する「歌声喫茶」は、特に人気があります!
司会進行やトークまで行っているなんて、スゴイですね!!!
「富士の山」を歌った後に「富士山に登られたことがある方はいますか?」と尋ねると、笑顔で当時の思い出を語ってくださる方がいらっしゃいます。
普段あまりお話されない方が、楽しかった思い出を話してくださることもあり、新たな一面を知ることができて本当に嬉しいです。
実はトークが一番苦手で、初めのころは、話す内容を事前にメモ帳に書いて準備していました。今はそこまで準備しなくても、なんとか場を回せるようになりましたが、やはり毎回緊張します。
開催前「困った時は〇〇さんを見ますね」とご入居者さまに言うと「見られても助けられへんけどね」なんて冗談を言い合って、少しでもリラックスできるようにしています(笑)。
さすが関西のご入居者さま!おしゃべりの返しが面白いです!!

「歌声喫茶」開催の様子
ラヴィーレ西宮の「歌声喫茶」は、月に2~3回14時から15時に開催。
その他に、向原さんが月1回ピアノコンサートを行っています。
「歌声喫茶」はみんなで歌うことがメインですが、ピアノコンサートではクラシックなどの演奏をじっくりと聴いて楽しむことができ、こちらも人気のレクリエーション!
ホームで大人気の「歌声喫茶」について、周囲の感想はいかがですか?
ご家族さまは、ご入居者さまが笑顔で歌われている姿を見て、とても安心されるようです。音楽の力は本当に素晴らしいと感じます。
以前、ホーム見学の方とご家族さまのリクエストで「椰子の実」を演奏したことがありました。
とても喜んでくださり、その後、ラヴィーレ西宮に入居されました。「あなたのピアノを聴いて、ここに決めました!」と言われた時は、本当に嬉しかったです。
「毎回楽しみにしているよ」というお言葉を本当によくいただきます。ご家族さまと一緒に参加される方や、ホーム見学の方がいらっしゃる日に合わせて開催することもあります。
「楽しかった、また聴かせてね」と言っていただけると、本当に嬉しくて、やっていて良かったなと感じます。
最後にコメントをお願いいたします!
これからは「歌声喫茶」に音楽療法を取り入れて、歌うだけでなく、ご入居者さまにも楽器を持って参加していただきたいと考えています。
最近、「ピアノの音色が好き」「ピアノを習っていた」「昔コーラスをしていた」というご入居者さまが増えてきたように感じます。
月1回のピアノコンサートでは、クラシックを中心に、生演奏の醍醐味を味わっていただいていますが、演奏後に「もう一度ピアノを習いたい」「あなたに教えてほしい」と仰るご入居者さまがいて、少しの時間ですが、ピアノのレッスンを行いました。
その方らしい充実した生活を送るお手伝いができたことが、何よりも嬉しいです。
音楽は、どの世代の方にとっても共通の話題になります。認知症の方もそうでない方も、歌やピアノを通じて少しでも「楽しい」「素敵」「嬉しい」と感じていただけるよう、これからも精進してまいります。

ピアノレッスンの様子
私は「SOMPO流 子ども食堂」の企画・準備も担当しており、子ども食堂で「歌声喫茶」を開催する予定です。ご入居者さまと子どもたちが音楽を通して交流ができたら素敵だなと思います。
「歌声喫茶」のおかげで、ご入居者さまの世代の歌を歌ったり演奏したりする機会に恵まれました。昭和歌謡の良さも知り、今では家でもよく聴くようになりました。
先日、福岡の実家に帰省した際、ふと昭和歌謡を口ずさんでいたら、祖母がとても喜んでくれました。その後、実家にあったピアノで祖母に昭和歌謡を弾いてあげました。
「歌声喫茶」に関わらなければ、このような喜びを味わうことはできなかったと思うので、誘ってくださった向原さんやスタッフの皆さまには本当に感謝しています
まだまだ至らない点も多いですが、「歌声喫茶」を通して、ラヴィーレ西宮をさらに盛り上げていけたらと思っています。
「歌声喫茶」の様子や練習風景などは、定期的に「ホームだより」にアップしていますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです!
▼ラヴィーレ西宮の「ホームだより」はコチラからご覧いただけます!▼
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000105/message/
向原さんと豊坂さんの温かい想いと素敵なピアノの音色に包まれた「歌声喫茶」は、まさにホームの宝物ですね!
ご入居者さまとの交流が、日々の喜びになっていることが伝わってきました。
次回開催の「子ども食堂&歌声喫茶」も、たくさんの笑顔と歌声が響き渡ることを楽しみにしています。

