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連載
2025.09.10

新潟発!レクリエーション「和み時間」をお届けします!第二弾~SOMPOケア 新潟横越 小規模多機能~

太陽が力強く照りつける真夏の暑さの中を、ふわりと吹き抜ける一筋の涼やかな香りが漂っていました。ある事業所の庭では、今年も紫色の可憐なラベンダーが見ごろを迎えました。

収穫したラベンダーを囲む和やかな雰囲気の中、あるご利用者さまがラベンダーの束を結ぶ手つきに、皆が息を飲みました。それは、米どころ新潟の秋の風景「稲架(はさ)掛け」を彷彿とさせる、見事な職人技だったのです。

新潟県にあるSOMPOケア事業所のレクリエーションをお届けする本企画。今回は「SOMPOケア 新潟横越 小規模多機能」での、ラベンダーを使った「ポプリ作り」の様子をご紹介します。

 

きっかけは地域から。受け継がれるラベンダーの輪

このレクリエーションのルーツは、10年以上前に地域のボランティアとして参加した「ラベンダー刈り取り体験」にあります。ポプリ作りのレクリエーションを担当するケアマネジャーの加藤さんは、当時をこう振り返ります。

加藤さん

「街路樹の根元に植えられたラベンダーを、小学生や高齢者の皆さんと一緒に刈り取る活動でした。刈り取ったラベンダーで作ったポプリ※1は、香りが良いとご利用者さまに大変好評でした。『よく眠れる』と喜んでくださる方もいらっしゃいました。いつかまたやりたいと、ずっとそう思っていたんです。」

※1ポプリとは、植物の香りを調合して心地よい香りを楽しむものです。主に、乾燥させた植物を使用します。ラベンダーは、心を落ち着かせる、やわらかな甘さとハーブの爽やかさが調和した香りがするそうですよ。

コロナ禍で地域の活動は途絶えてしまいましたが、加藤さんは事業所の庭で大きく育ったラベンダーを見て、「ここで再開しよう!」と決意しました。ご利用者さまの笑顔のために、この大切な活動が受け継がれることになりました。

 

「さすが!」の声。米どころ新潟の『稲架(はさ)掛け』の技

レクリエーション当日。庭に出たご利用者さまからは、「いい匂いだねぇ」「この花、なんていう名前だったかね」と、自然に会話と笑顔が生まれます。

ラベンダーを収穫しましょう!

そして、作業は刈り取ったラベンダーを干す準備の工程に。

あるご利用者さまが、慣れた手つきでラベンダーの束をキュッと縛り始めました。その縛り方は、稲穂を天日で乾燥させる、伝統の「稲架(はさ)掛け」※2に使われる熟練の技です。ほどけにくく、かつ後で解きやすいのが特徴です。

その見事な手際に、他のご利用者さまやスタッフから「さすが!」「すごいねぇ!」と感嘆の声が上がりました。ご本人ははにかみながらも、とても嬉しそうな表情を浮かべていました。

※2稲架掛け・・・皆さんも、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

 

ポプリができるまで

「いい匂いだね」と、ラベンダーの香りとともに作業開始です。

さあ、手分けをして束にまとめましょう。

「私に任せて!」稲穂を束ねてきたご利用者さまの、熟練の技で束ねます。

きれいにまとまりました。これならほどけない!

稲架掛けの技でラベンダーを乾燥中。事業所にラベンダーの香りが広がります。

よく乾燥させたら、花を落としてポプリに。

手作りの袋に入れて完成!

 

~稲架掛けこぼれ話~

お写真のご利用者さまは、兼業農家でお米を作っていたそう。笹団子や粽(ちまき)などを「縛る」という作業に慣れていらっしゃいました。現在でも、地域の文化祭への出品を目指し、編み物に精を出されています!

20代のスタッフは、この縛り方の技を見たことがなかったそうです。しっかりと束ねられている様子を見て真似ようとしましたが、うまくできなかったそうですよ。

 

新潟横越 小規模多機能が届けたい想い

企画を担当する加藤さんの方針は、「スタッフが主役にならないこと」です。
加藤さんは次のように語ります。
「日々の業務で忙しい中、庭の整備や準備をするのは確かに大変です。しかし、私たちが提供するのはあくまで活動の場やきっかけに過ぎません。庭でのラベンダーの刈り取りや乾燥作業といった各工程では、ご利用者の皆さんに、その持てる力を存分に発揮していただきたいのです。活動を通してご利用者の皆さん自身が楽しみを見つけ、作り上げていく様子を見て、改めてその大切さを感じました。」

ラベンダーは、桜や紅葉のように広く知られた季節の花ではないかもしれません。しかし、この活動を続けることで、ラベンダーは新潟横越 小規模多機能にとって「初夏の風物詩」となるでしょう。ご利用者の皆さんが五感で癒しを感じられるように、というスタッフの思いが、この活動を支えています。

 

楽しみは、未来へ続く

このポプリ作りは、今やスタッフにとっても毎年の楽しみになっているそうです。
「ポプリを入れる袋は、もっと可愛い生地を選びたいね」「地域の文化祭に出品できるかも!」と、夢はどんどん広がっています。

新潟横越 小規模多機能では、このほかにも「手縫いの雑巾」※3や「梅干しづくり」※4など、ご利用者さまの生活歴や得意なことを活かす活動に力を入れています。
「活動では、逆にご利用者さまに教えていただくことも多々あります。そうした学びの場面を多く作れるのが、この事業所の魅力だと感じています。」と加藤さんは語ります。

ラベンダーの香りと共に、ご利用者さまの笑顔が事業所全体を明るく照らしていました。

 

※3「手縫いの雑巾」

もともとは、ご寄付をいただいた古いタオルを、車いすを清掃するため、ご利用者さまに切っていただいていました。切るだけだと糸くずが出てしまうため、雑巾縫いをすることに。雑巾縫いを始めると、ご利用者さまもスタッフも楽しくなり、綺麗な糸を使ったり、縁にステッチを入れたりする「作品」になっていったそうです。その作品はやがて地域の文化祭で出品されるまでになりました。

※4「梅干し作り」

毎年恒例の「梅干しづくり」では、今年は「越の梅」という、地元の江南区特産の梅を使ったそうですよ!

 

 

向かって左から、ケアスタッフの金子さん、浅井さん、ご利用者さまの山田さま、ケアマネジャー加藤さん

作ったポプリは、ご利用者さまに持ち帰っていただいているそうです。鞄につけたり、寝室やお部屋に飾ったりと、皆さんとても大切にしてくださっているようです!ご家族さまも、「こんなおしゃれなことをしているんですね」と、とても喜んでくださっているとのこと!

 

地域と共に、ご利用者さまの笑顔と誇りを育む新潟横越 小規模多機能。温かい交流が生まれる場として、今後も活躍されることと思います。稲架掛けの熟練技には、ライターの私も大いに興味を惹かれました。不器用な私には難しそうですが、いつか挑戦してみたい気持ちになりました!

 

 

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SOMPOケア 新潟横越 小規模多機能の事業所ページはこちら
https://www.sompocare.com/service/zaitaku/takinou/Z000363
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新潟発!レクリエーション「和み時間」をお届けします!第一弾
「柏崎松波版・ぎおん柏崎まつり」の記事はこちら
https://www.sompocarewatch.com/rensai/27950/
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ABOUT USこの記事を書いた人

猪野 雄一郎
2006年、ケアスタッフとして中途入社。 現在はウェブサイトの担当をしています。趣味は多肉を育てること!