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連載
2025.10.21

ケアエール de 実践! 暮らしを支えるデジタル活用 ~札幌青葉デイサービス~

本掲載ではケアエールを活用しながらご利用者さまの望む暮らしを実現できた事例についてご紹介しています。

 

第17回となる今回は、ケアエールの内容を手作りの「スクラップブック」にし、家族として大事な思い出にされているエピソードを紹介します。

「SOMPOケア 札幌青葉デイサービス(以下「札幌青葉デイサービス)」の管理者、森さまにお話を伺いました。

 

デジタルとアナログで繋ぐ「行きたい」気持ち

<ボランティアとしての通所?>

札幌青葉デイサービスをご利用されているOさま(80歳)。編み物がご趣味で、以前は大好きなご主人やご家族のために手編みのマフラーを作るなど、編み物をする風景が日常でした。今でもご主人のことは大好きで、他の人と楽しそうに話されていると、ついやきもちを焼いてしまうほどです。
Oさまとご主人は、かつて保険の外交員として出会われました。お客さまの万が一を考え、それに備えたご提案をすることに大きなやりがいを感じていたOさま。その真面目で、誰かの役に立ちたいという人柄で、今でもつい周りのことに口を挟んでしまうそうです。

しかし、認知症の症状が現れるようになり、以前利用されていたデイサービスでは、環境の変化や他の利用者さまとの関係づくりに苦労されました。そうした中で、札幌青葉デイサービスに通われることになりましたが、最初は過去の経験からデイサービスへの抵抗感もあったといいます。
そこでスタッフは、「Oさまのお力をぜひお借りしたい」と声をかけました。“人の役に立ちたい”というOさまの気持ちを大切に、デイサービスでのちょっとしたお手伝いをお願いし、「ボランティア」として通っていただく形にしたのです。

 

Oさまは、ご主人さまと息子さまと同居されていますが、ご主人さまも最近は認知症の症状が現れ、ご夫婦ともにケアが必要な状況です。そんなご両親を献身的に支えているのが、別居の娘さまです。娘さまは毎日1時間かけて公共交通機関を利用し、デイサービスへの送り出しやご両親の身の回りのお世話をされています。

 

<ケアエールと手作りスクラップブック>

Oさまの札幌青葉デイサービスでの活動の様子は、写真付きで毎日ケアエールを通じて娘さまに共有されています。レクリエーションで楽しそうに塗り絵をしている姿、仲間と協力してお玉を作っている様子、みんなでドライブに出かけてソフトクリームを笑顔で召し上がっている瞬間、そして80歳の誕生日を祝う温かいメッセージ。ケアエールを通じて届くOさまのにこやかな様子は、娘さまに大きな安心をもたらしました。

 

しかし、Oさまご自身はスマートフォンを使いこなせず、ケアエールでの写真は娘さまがお見せしていましたが、その日の出来事を覚えられていないこともありました。

認知症のお母さんが覚えていなくても、”この時は楽しそうだね”、”ここは皆さんのために頑張っていたのね”などデイサービスでの思い出を一緒に楽しみたいと考えた娘さま。そこで、ケアエールで共有されるデイサービスでの様子を手作りのスクラップブックにすれば、Oさまがいつでも手にとって見やすい形となり、娘さまご自身にとってもOさまとの大切な思い出を綴る宝物になると考えました。

それから、娘さまは、ケアエールで送られてくるこれらの写真を一枚一枚丁寧に印刷し、日付や活動内容、そしてご自身の温かいコメントを添えて、何冊もの手作りスクラップブックを作成されています。

 

そしてデイサービスへ向かう前、娘さまはOさまと一緒にこのスクラップブックを広げます。ページをめくるたびに、「この日はみんなでこんなことしたね」「〇〇さんと一緒に楽しそうだったね」と、札幌青葉デイサービスでの楽しい思い出を一緒に眺め、その日の出来事を振り返るのが、今では大切な日課です。すると、初めはデイサービスへいくことを躊躇されていたOさまですが、自然と”デイサービスに行きたい”と、そこでの時間を楽しまれ、Oさまもご家族も一日一日を前向きに過ごせるようになっていきました。

 

<信頼と絆から繋がる心の架け橋>

ケアエールを通じた密なコミュニケーションは、娘さまからの事業所への厚い信頼に繋がっています。娘さまは「すごいお世話になっている」と感謝の言葉に加えお手紙までくださり、運営推進会議にも積極的に参加されるなど、事業所にとって心強い存在です。

たとえ、Oさま本人があまりケアエールを活用できなくとも、ご家族の安心に繋がり、スクラップブックという形でOさまの笑顔にも繋がる「心の架け橋」がそこにはありました。

 

■SOMPOケア札幌青葉デイサービスって、どんな事業所?

札幌青葉デイサービスは、小規模ならでは一人ひとりに寄り添った細やかなケアを大切にする認知症の方でも安心して楽しく過ごせる地域に根差した認知症対応型デイサービスです。認知症の方でも楽しめるレクリエーションや脳トレを豊富に提供し、ご利用者さまの「その人らしい暮らし」を支えています。

同敷地内にはグループホームの他、サービス付き高齢者向け住宅、小規模多機能、居宅介護支援、訪問介護、訪問看護といった複数の事業所が隣接し、ご利用者さまの状態に合わせた暮らしを選択できる環境も整えています。

 

■ケアエール導入にあたって変化

札幌青葉デイサービスでは、ケアエール導入により、業務効率化と多職種連携において大きな変化を実感しています

<導入後の主な変化>

・職員の負担軽減と働きがい向上:

導入当初は戸惑いの声もありましたが、ケアエールの浸透により、紙の連絡帳業務がほぼ不要に。管理者の森さまも「1日1時間ほどかかっていた作業がなくなり、職員の負担が大きく軽減された」と語ります。これにより、職員の残業時間が大幅に削減され、iPad活用スキル向上や写真共有によるチームの一体感醸成にも繋がっています。

 

ご家族・他事業所とのスムーズな連携:

ケアエールはご家族との連携にも大きく貢献。娘さまのような遠方のご家族もOさまの様子をリアルタイムで確認でき、安心感が深まりました。体調変化や重要書類の共有も迅速かつ円滑です。また、他社のケアマネジャーもケアエールでOさまの様子を把握できるようになり、電話連絡が減るなど連携がスムーズに。写真付きの情報は「ご利用者さまの様子がよくわかる」と高い評価を得ています。

 

■今後に向けて

管理者の森さまは、ケアエールが持つ可能性を強く感じています。「営業や体験の際にケアエール活用事例を紹介すると、ご家族やケアマネージャーの方々から『すごいですね』と驚かれることが多い」と語ります。特に、写真で日々の様子が「見える化」される点は、他のサービスにはない強みだと感じています。今後は、「心の天気」機能の活用でご利用者さまの感情変化を把握・対応したり、機能訓練の様子を動画で共有したりと、さらなる活用を模索していく予定です。

札幌青葉デイサービスは、これからもケアエールを最大限に活用し、ご利用者さま、ご家族、そして職員が楽しく笑顔で過ごせる場所を守り続けるため、試行錯誤を続けていきます。

 

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ABOUT USこの記事を書いた人

ケアエールチーム
デジタル推進室ケアエールチームです。ご家族や関係者と共に取り組むほっこりするチームケアの事例などを発信していきます!