生活支援コーディネーターってどんな仕事?

皆さんは「生活支援コーディネーター」という仕事をご存知でしょうか?
なんとなく聞いたことはあるけど、実際にどんな活動をしているのかはわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回はSOMPOケア 川崎新作小規模多機能で、生活支援コーディネーター兼ケアマネジャーとして活躍する内田さんをご紹介します。
生活支援コーディネーターとは?
生活支援コーディネーターは、住民の「住み慣れた地域で暮らし続けたい」という気持ちに寄り添い、地域に応じたさまざまな活動を行う職種です。
具体的には、地域で生活するご高齢の方が抱えている問題を可視化し、既存のサービスと結び付けます。また、必要に応じて新たなサービスの考案も行います。
ご高齢の方が地域で健康的に生活できるように、生活支援コーディネーターは住民、社会資源、行政などとの調整役を担っています。
生活支援コーディネーターになるには、自治体から事業を委託された社会福祉協議会や関連事業所などに勤務する必要があります。
例えば川崎市では、市から委託を受けた小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護の事業所などに配置されています。
内田さんの具体的な活動について
2023年4月から生活支援コーディネーターとして活動を始めた内田さんは、地域のニーズに沿った活動を実現するために積極的に取り組んでいます。
具体的には、団地や集会所での体操教室、屋外清掃活動、認知症サポーター養成講座などを実施。こうした活動を通じて住民との交流を深め、日常生活で抱える悩みや困りごとを直接聞ける機会を増やしているそうです。
特に、SOMPOケア 川崎新作小規模多機能の近隣団地は「勾配の急な坂の上に位置する」「高齢化が進行している」といった特徴があります。介護サービスを利用していないご高齢の方が日々の生活に不安を抱えているため、その支援に注力されています。
また、行政や社会福祉協議会などからの講演依頼を受け、生活支援コーディネーターの役割や介護保険サービス、認知症を啓発活動なども行っています。
さらに、2024年6月には「みんなでつくる末長カフェ」という認知症カフェの立ち上げに関わられました。
ボランティアを中心に、SOMPOケア ラヴィーレ溝の口で月に一度開催されています。近隣住民だけでなく、行政、地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生委員、地域リハビリ拠点など、多様な関係者が集まる場です。
地域で行われている健康づくり教室の様子
教室で行われた脳体力トレーニングの結果を集計する内田さん
内田さんからのコメント
●地域活動を行う上で大事にしていること
生活支援コーディネーターの活動は、地域の特性や課題によって大きく異なります。
例えば、自治会と連携して地域の朝市を開催している人もいれば、スマホ教室を開く人、銭湯で相談コーナーを設ける人もいます。活動の形が違っても、共通しているのは、住民の「住み慣れた地域で暮らし続けたい」という思いに寄り添う姿勢です。その実現に向け、各生活支援コーディネーターが日々創意工夫を重ねています。
私自身が大切にしているのは、「地域の人と顔を合わせ、挨拶し、話をすること」です。何をするかよりも、何度も顔を合わせることが重要だと思っています。初めて会った人に「何かお困りごとはありませんか?」と尋ねても、本音はなかなか出てきません。
しかし、何度も顔を合わせ、一緒に掃除や体操をする中で雑談を重ねるうちに、「実はね…」「最近ね…」と少しずつ心の内を話していただけるようになります。
こうした日々の積み重ねこそが、地域活動の土台になると考えています。
●目指していること
「地域活動は大切だとわかっているけれど、そこまで余裕がない」と感じる方も多いと思います。ですが、私は道徳の観点だけでなく、経済の観点からも地域活動は有効だと考えています。
地域で活動し住民と関わる中で、生活支援コーディネーターだけでなくSOMPOケア 川崎新作小規模多機能のことも知ってもらえるようになりました。小規模多機能型居宅介護は、介護保険サービスの中でも知名度が低く、一般の方だけでなく、介護・医療関係者の間でも十分に理解されていないことがあります。中には「名前は知っているけど、なんだか使いにくい」という声もあります。
しかし、活動や雑談を通じて少しずつ説明することで地域に浸透し、ご相談やご依頼をいただく機会が増えてきました。もちろん、地域活動はすぐに結果が出るものではなく、何年も継続して初めて効果が見えてくるものです。それでも根気強く取り組むことで地域に根差した施設となり、より多くの方から信頼されるようになると信じています。SOMPOケアには「SOMPO流 子ども食堂」や「SSAP」といった強みがあります。これらをより深く地域に結び付けていくことは、道徳・経済両方の観点で大きな意味を持ちます。
将来的には、日本全国どこのSOMPOケアにも地域の居場所があり、住民が自然に集える環境を作ることが私の夢です。
※SSAP(SOMPOスマイル・エイジングプログラム)とは…
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター監修のもと、SOMPOグループが開発した独自の認知機能低下予防プログラムです。

