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連載
2024.06.06

ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア ~室蘭デイサービス~

当社では、コミュニケーションアプリ「ケアエール」、介護事業者向けWEBシステム「ケアエールPRO」を通じて、ケアが必要な「ご本人」と「関わる全ての方」が絆を深めることで、在宅生活を無理なく続けるチームケアの実現を目指しています。

 

中でもデイサービスでは、ケアエールPROによってケアの記録をデジタル化し、連絡ノートとシームレスに連携させることで、ご家族や多職種との円滑なチームケアと業務の効率化を同時に実現することにチャレンジしています。

※ケアエール/ケアエールPRO(以下、ケアエール)についての詳細は文末をご覧ください。

 

この連載では、ケアエールの活用事例や、起こった変化についてご紹介しています。

第4回目は「SOMPOケア 室蘭デイサービス(北海道)」の管理者 高田さんにお話を伺いました。

 

SOMPOケア 室蘭デイサービスって、どんな事業所?

高田さん:

室蘭デイサービスの最大の特徴は、男性のご利用者さまが多いことです。84名おられるご利用者さまの6~7割くらいが男性で、デイサービスとしては珍しいと思います。

 

男性が多い理由の1つは、運動ができることです。多くの運動器具を揃えており、毎日体を動かすことができます。また、SSAPも導入しています。もう1つの理由として、「自由に過ごせること」ではないかと思います。午後からの趣味活動の時間は、基本的にご利用者さまのご希望に沿ってやりたいことを自由に楽しんでいただいており、カラオケや囲碁、将棋、麻雀と複数のグループが自然にできています。「あっちのデイサービスには男性が少なくて、囲碁の相手がいないんだよ」と他社のデイサービスから室蘭デイサービスに移ってこられた方もおられます。男性のご利用者さまが多いことが、選ばれる理由にもなるようです。

ケアエールPRO導入をきっかけに、モニタリングを大幅改善!

高田さん:

ケアエールPRO導入で、まずはケアマネジャーに毎月提出するモニタリング(旧:サービス実施状況報告書)が大きく変わりました。

 

導入前の悩みは、エクセルのモニタリングシート(サービス実施状況報告書)の特記事項欄が狭く、ご利用者さまの情報を書ききれなかったことでした。日々の様子を丁寧に伝えないと、ケアマネジャーも表面的なことしか分かりません。ご家族さまからのお電話や送迎時に、ご家庭での様子を伺うことも多かったので、デイサービスでの様子に加え、なるべく丁寧に伝えようとしていました。ですが印刷時の仕様上、レイアウトを変えることができなかったので記載スペースが足りず、2か月分のシートを使ってお伝えすることもありました。

 

1月からケアエールPROでモニタリングシートを書き始めたところ、特記事項欄のスペースが多くあり、伝えたいことをすべて入力できるようになりました。また、これまで写真が入っている他社のモニタリングシートを見て悔しい思いをしていましたが、私たちもケアエールPROを導入してからは写真を見せることができるようになり、「表情がわかって良いですね」と喜ばれています。

高田さん:

しかし、導入前の悩みは解決しましたが、今度は、入れたい情報を盛り込みすぎて、文章がダラダラと長くなり過ぎてしまいました。「どんなに大切な情報でも、文章が長過ぎると読んでもらえないよ」と部長からも指摘を受け、モニタリングを担当している私と相談員、職員の3人で話し合い、4月に書き方を大幅に見直しました

 

主に取り組んだことは下記の3点です。伝えたいポイントを整理して記載するように工夫しました。

  • ご利用者さまごとの目標に対するコメントを書く「定型文」を作成。毎回変化のあった点のみ更新するようにし、必ず伝えたいことを書き洩らさないようにした。
  • 通所介護計画書の項目に沿ってコメントを書くようにした。
  • 日々の様子は、毎日記載する「今日のケア記録(旧:サービス実施記録)」から伝えたいことを抜粋してコピー&ペースト。

 

これにより、モニタリングシートを書く負担も減りました。3名で手分けして書いている点は以前と変わらないのですが、エクセルの頃は半月かけて書いていましたが、今は1週間くらいでまとめられるようになりました。

 

先日、新しい書き方に変更したモニタリングシートをケアマネジャーに届けました。早速その場で見ていただき、感想を聞いたところ「とても見やすくなりましたよ!」と好評でした。今後もケアマネジャーの評価を確認しながら、より分かりやすいモニタリングに見直していきたいと思います。

改善に取り組んだモニタリングシートのイメージ、共有のパソコンで交代しながら作成しています

業務も見直して、レクリエーション増加!

高田さん:

モニタリングだけでなく、業務も、そして職員もかなり変化がありました。

 

実はケアエールPROを導入したばかりの頃は、紙の記録も残っている上に、ケアエールPROも入力しなければならず、職員は業務に追われ、気持ちの余裕が無くなっていました。その後、ケアエールPROへの切り替えが完了し、紙の記録が無くなって業務量が落ち着いてきても、職員たちの中には「日々の業務をこなせばいい」という雰囲気が残ってしまっていました。

 

しかし、そんな状態ではご利用者さまのためにもなりませんし、仕事は楽しみながらやりたいですよね。そこで職員全員で話し合い、業務の見直しを行いました。

 

早速取組んだのが、日替わりでリーダーを決め、その日のリーダーが担当を決めるという「担当制」です。実はそれまでは特に業務担当は定めず、都度気付いた人が対応する方式でした。そのため、誰が何をやっているのかわかりづらく、業務の重複も発生していました。

 

そこで改めて「お風呂の中介助担当・外介助担当」「ホール担当」「体力測定担当」「ケアエールPRO担当」などの業務を洗い出し、今日は誰が何を担当するかを割り当てことにしたのです。例えば「ケアエールPRO担当」になった人は、その日は中心となってご利用者さまの様子を撮影する・・・といった感じです。毎日リーダーが変わるので誰か1人に負担が偏りませんし、その日の担当が決まることで職員一人ひとりの動きが見えるようになった結果、無駄な動きがなくなり、業務が効率よく回るようになりました。併せて各自の休憩時間も決めたので、職員が安心して休憩に入れるようになりました。

 

担当制やケアエールPROの入力に慣れてくると、残業が減り、職員の気持ちにも余裕が出てきました。そうすると、次は「ご利用者さまの趣味活動は、毎日トランプ、囲碁だけで良いのだろうか?もしかすると退屈している方もおられるのではないか?何か考えた方が良いのでは?」という前向きな声が出てくるようになりました。ケアエールでご家族さまがデイサービスの様子を見てくださっているのも刺激になったと思います。そこでレクリエーションにも力を入れてみることにしました。

 

「自由」が特長の室蘭デイサービスでは、これまで全員参加のレクリエーションを行う機会は年間を通しても数えるほどしかありませんでした。そこで今年からは、新年会を皮切りに、運動、頭の体操など、全員参加のレクリエーションも折に触れて開催するようにしました。2月には、登別市立鷲別中学校ボランティア部のみなさんにも参加いただき、SOMPO流 子ども食堂と一緒に節分のイベントを開催し大変盛り上がりました。ご利用者さまもレクを楽しみにしてくださるようになり、ご利用者さまと職員の会話も増えました。最近ではホール内にも元気のよい笑い声が響き渡っています!

2月3日節分+子ども食堂の様子。登別市立鷲別中学校ボランティア部のみなさんと職員のお子さん

レクリエーションの様子はホーム便りやケアエールPROにもアップをしています。すると遠方のご家族さまから「うちの母はこんな楽しそうな表情を見せたことがないです!」とコメントをいただくなど、ご家族さまからの反応も上々で、職員はますます張り切って、「今度はどんなレクリエーションをやろうか」と考えています。

 

ケアエールPROでご家族さまからの反応をいただけるようになったことで、職員の仕事への取組み姿勢が前向きになっただけでなく、ご利用者さまの様子をケアエールPROに書く文章も、より分かりやすいものに変わってきました。また、ご利用者さまの様子にも、これまで以上に気を配れるようになったと思います。職員の不満も聞かれなくなり、明るく笑顔で、まとまりのある職場になってきました。

【実践エピソード】ケアエールPROで早期受診・治療につなげる

高田さん:

ケアエールPROはご利用者さまの早期受診・早期治療につなげる効果もあるのではないかと思います。

 

これまでは、お身体の異変や体調について気付いたことがあると、ご家族さま宛にお手紙を書いてお伝えしていましたが、「本人が痛くないと言っているので」とそのままになってしまうこともありました。

 

しかし、例えば「転倒して変色している痣があるので病院で診てもらってはいかがでしょうか」などケアエールPROで写真と一緒にお伝えすると、ご覧になったご家族さまが「病院に連れていきます」という反応をされることが多くなりました。ご高齢のご夫婦で病院までの交通手段がない・・・といった場合では、ケアエールをご覧になったご家族さまが車を出して病院に連れて行ってくださることもありました。病院では、ケアエールをお医者さまに見せれば、患部の様子や気付いた時の状況が伝わるので助かるというお声もあります。

 

ケアエール、ケアエールPROを通したコミュニケーションが、ご利用者さまの健康を守ることにも繋がりそうな手応えを感じています。

ご利用者さまのお身体のことで気になる点をお伝えすると、ご家族さまから受診のご連絡がありました

ケアエールPRO導入による変化 

高田さん:

ケアエールPROの特に良い点は、文章では伝えづらかったご本人の様子を、写真や動画でお伝えできることだと感じます。ご利用者さまの日々の笑顔がお届けできるようになったことで、ご家族さまからも「本当に幸せそうな笑顔が見れてうれしいです!」とコメントをいただけるようになり、それが職員のやる気にもつながっています。

 

これまで紙の連絡ノートでやり取りしていたご家族さまのほとんどが、現在はケアエールを使ってくださっています。スマホが苦手などの理由でケアエールがお使いになれないご家族さまも数人おられますが、その方々へは、写真も入っているケアエールPROの「本日のケア記録」を印刷してお渡ししています。これまでなかなかお話する機会がなかった、海外や離れた地域にお住いのご家族さまともケアエールで繋がっており、ケアエールを通してご利用者さまについてのお話を自然に伺える機会も増えました。先日、介護施設入居のためご退所されたご利用者さまのご家族さまから「ケアエールを通して、母の様子がわかり、いつも見るたびにほっとしていました。いつまでもこのアプリは残しておきます。」というコメントをいただき、感動してしまいました。

 

また、ケアマネジャーからも、ケアエールPROを使うことでご家族さまとのコミュニケーションが取りやすくなったことが注目されています。「遠方のご家族がおられるご利用者さまには、ケアエールがあるSOMPOケアが良いのでは」とお勧めをしてくださるようになり、3月、4月にはケアマネジャーからご利用者さまの紹介を受けました。これからもケアマネジャーにケアエールを見せて、私たちが実感している効果を知ってもらおうと思っています。

今後に向けて

高田さん:

ケアエールPROの機能を使った新しい取り組みに、いくつかチャレンジを始めました。

 

室蘭デイサービスではSSAPを週二回実施しているのですが、ケアエールPROで撮影した動画を活用し、ご利用者さまの動きの変化を確認するトライアルに協力しています。SSAPではプログラム参加者の方々の運動機能改善状況を、月に1回の体力測定で計測しています。しかしケアエールPROはご利用者さまがどんな動きをしているのかや、表情を動画で伝えられます。離れた場所(本社)でこの動画を通し、ご利用者さまの変化を目で見て確認することで、プログラムの効果検証や改善に活かせないか?というチャレンジです。ちなみに、SSAPに参加されているご利用者さまの動画をご覧になったご家族さまの中には「自分も体操を始めてみました」という方もおられました。動画の「伝える力」はやはりすごいなと感じます。

※SOMPOスマイル・エイジングプログラム:身体・認知機能の低下予防を目指したSOMPO独自の複合プログラム 

 

また、歩行機能の維持のために重要な「足」に着目し、保険外サービスとしてフットケアを取り入れてみたいと思い、フットケアの勉強会に参加してきました。とはいえ、ご利用者さまがデイサービスに来られる週に1~2回フットケアを受けるだけでは、なかなか効果が出ません。そのため、ご自宅でも「足」の状態をチェックできるように、訪問介護や訪問看護とも連携したいと考えています。その連携にケアエールPROやケアエールを使ってみるつもりです。

 

新しい挑戦にワクワクしています。

 

バックナンバーはこちらからどうぞ ⇓

ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア~盛岡本町デイサービス~ | SOMPOケア WATCH!|介護現場の真実を伝える社内報 (sompocarewatch.com)

ケアエール de 実践!在宅生活のチームケア ~杉戸デイサービス~ | SOMPOケア WATCH!|介護現場の真実を伝える社内報 (sompocarewatch.com)

ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア~吉祥寺デイサービス~ | SOMPOケア WATCH!|介護現場の真実を伝える社内報 (sompocarewatch.com)

 

ケアエールhttps://careyell.com/
ケアが必要な要介護者の体調、日常の様子や気持ちをご自身、ご家族やケアマネジャーなどケアに関わる方々と、写真や動画を添えて無理なく共有することができる無料のモバイルアプリ。

ケアエールPROhttps://careyell.com/pro
記録業務をデジタル化し、ご利用者一人ひとりのリアルな今を写真・動画を添えて共有・蓄積できる介護事業者向けWEBシステム。

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