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特集
2024.03.15

SOMPOケアの挑戦「介護の未来を変えていく」Vol.3/そんぽの家 岡山平田

SOMPOケアは、日本の介護における課題のひとつでもある「介護の担い手不足」に真摯に向き合い、将来介護の担い手が不足しても高齢者の生活を支えていけるように、データ・テクノロジーの導入・活用による介護現場の新しい常識、すなわち「未来の介護」の創造に取り組んでいます。

この取組みは、約280の介護付きホームからスタート。2023年~2024年度に、順次データ・テクノロジーの活用を進めていきます。

「未来の介護」の取組みを通じ、ご利用者さまには根拠に基づくより良い介護を、職員には、人にしかできない介護に注力する働き方の実現によって今まで以上のやりがいと誇りを。さらに、この流れを介護業界全体へ波及させていくことで、私たちは介護の未来を変えていこうとしています!

 

▼「SOMPOケアが目指す未来の介護」はこちら

https://corporate.sompocare.com/mirainokaigo/

▼前回の記事はこちら

SOMPOケアの挑戦「介護の未来を変えていく」Vol.2/そんぽの家 松葉公園 | SOMPOケア WATCH!|介護現場の真実を伝える社内報 (sompocarewatch.com)

「三方良し」を目指して!

SOMPOケアは、国や自治体、医療機関とも連携しながら、「ご利用者さま」「職員」「未来社会」にとっての三方良しの実現を目指しています。

 

「未来の介護」に取り組むホームをご紹介

第2回目のラヴィーレ松葉公園からバトンを引き継ぎ、第3回目となる今回は、「そんぽの家 岡山平田」です!

2023年4月から未来の介護プロジェクトを始動しています。

上席ホーム長の安﨑さん、岡山事業部長の赤堀さん、ケアコンダクターの森元さんに「未来の介護」の取組みについてインタビューを行いました!

 

【そんぽの家 岡山平田の基本情報】

ご入居者さま:50名 平均要介護度:2.6 

職員数:取組み前 職員15名/現在 職員14名・パート職員1名

※2024年2月時点

 

「未来の介護」取組みのスタートにあたり、そんぽの家 岡山平田にはどのような声がありましたか?

安﨑さん(ホーム長):職員からは、未来の介護って何?という漠然とした不安の声が多かったです。私も未来の介護をスムーズに導入することができるか不安でしたが、前向きに捉え、職員と向き合いました。職員も気持ちをストレートにぶつけてきてくれたので、その不安を少しでも軽減できるよう、繰り返し説明を行っていきました。

 

森元さん(ケアコン):未来の介護推進メンバーの方々に、職員に向け何度も説明を行ってもらいました。説明会を重ねることで徐々に職員の未来の介護に対する理解が深まり、不安が減ってきたのだと思います。未来の介護トライアル段階では、職員の気持ちも「不安」から「やってみよう!!」という気持ちに変わっていきました。

 

未来の介護に取り組むにあたって、そんぽの家 岡山平田が抱えていた課題は?

安﨑さん(ホーム長):私が着任した当初(未来の介護をスタートさせる1年前)にすでに改善できそうな業務があるのではないかと感じていました。しかし、「これまでの慣習を変えること」に対して不安や心配の声もあり、積極的に変えていこうという流れには至りませんでした。その結果、業務が圧迫しご入居者さまと関わる時間が少なく、日々淡々と業務をこなすだけになっていました。

 

課題解決に向けた取組みを教えてください!

未来の介護ミーティングの設定

職員に課題を理解してもらうため、毎週火曜日に行なっているカンファレンスの後半20分を未来の介護の時間に設定しました。この時間を利用し、前の週に取組んだ事に対する、良かった事、難しかった事についてみんなで振り返りを行い、今週取り組むことを確認し現場に入っていただきました。一気に全ての課題を解決しようとするのではなく、毎週、少しずつ前に進んでいきました。

コアメンバーの選定

テクノロジー導入とQライン※1という新しい取組みに対しては、それぞれにコアメンバーを選出しました。コアメンバーがしっかりとテクノロジーの使い方やQラインの意味を把握し、岡山平田に最適な環境を構築してから職員に伝えていきました。コアメンバーを選定したことで、メンバーを中心にホーム全体が同じ方向を向くことが出来ました。

業務の見直し

業務を整理するために、それまで直接援助と間接援助が混在していたラインを、直接援助ラインと間接援助ラインに分けました。そうしたことで、一時的に直接援助ラインがひっ迫してしまい、直接援助ラインを担う職員さんは未来の介護の取組み意義を感じにくい状況でした。

しかし、業務の整理を行い、ムリ・ムラ・ムダを把握し精査することができたことにより、直接援助ラインのひっ迫を緩和することができました。

その結果、職員全員がQラインを担うことができるようになり、Qタイム※2を利用してご入居者さまと一緒にお出かけするなど、ゆっくり時間を過ごすことができるようになりました。ご入居者さまが喜んでいる姿を目にする事で、職員も未来の介護の取組みの素晴らしさを実感することができています。

 

これぞ「感動できる介護」そのものですね!

左:久しぶりに本屋さんに行ってきました。読みたい本がたくさん!

右:大好きな「大手まんぢゅう」で盛り上がるご入居者さまと職員さん

 

※1 Qライン(クオリティライン):サービス品質向上の取組みを実施するためのライン

※2 Qタイム(クオリティタイム):サービス品質向上の取組みを実施し、ご利用者さまの豊かな生活を創造する時間

 

業務の見直しを行った結果、どのような変化が生まれましたか?

安﨑さん(ホーム長):業務の見直しを行った結果、創出された時間で一日の業務の中にQラインが加わりました。Qラインが加わったことによりアクティビティの時間が下記のように変化しました。

 

未来の介護取組み前:週2回30分間のアクティビティ(体操のみ)

未来の介護取組み後:月~金は計450分、土日は計90分のアクティビティ(さまざまなアクティビティが増えました)

 

エピソード①

毎日アクティビティを行い、種類も豊富になったことで、引きこもり気味で会話も少なかったご入居者さまが、積極的にお部屋の外へ出てこられるようになりました。ご入居者さまの変化が目に見えてわかるようになり、職員も大変喜んでいます。「今日は何をする日だったかね?」という、アクティビティを楽しみにしてくださっている声も聴けるようなりました。また、Qタイムを利用し、夢結いのーと※3の作成も行っています。

エピソード②

今まで職員が毎日淡々と仕事をしていたため、話しかけることをためらい、事務所を訪れホーム長とお話をされていたご入居者さまがいらっしゃいました。しかし、職員と一緒に夢結いノートを作成するようになってからは、事務所に訪れる回数が減りました。ご入居者さまと職員のコミュニケーションがよく取れている証拠です!管理者的にはちょっと寂しい気持ちもありますが。笑

※3 夢結いのーと:高齢者の皆さまに充実した生活と、最期までその方らしく、尊厳ある人生を送っていただくための人生会議実践ツール

https://www.sompocare.com/attachment/topic/1129/yumeyui_note.pdf

 

①ご入居される前に夫婦でよく行っていたお蕎麦屋さんです「懐かしい、嬉しい」

②寒かったですが、紅葉狩りに行ってきました

③こんなにもマージャン好きな仲間がいたことが分かりました

④Qタイムを使って「夢結いのーと」もどんどん完成しています!!

 

そんぽの家 岡山平田でテクノロジー導入するにあたり職員の皆さんの反応はありましたか?

森元さん(ケアコン):テクノロジーを導入することにより、業務が効率化されましたが、慣れるまではとても苦労しました。特に、長年紙でのやり取り(申し送りなど)に慣れてしまっている職員は、テクノロジーに対する苦手意識があったので使い方を一人ひとり丁寧に伝えていきました。

 

安﨑さん(ホーム長):私もデジタル苦手派の一人でしたが、やるなら一気にやろうと腹をくくり、事務所にあった帳票を全てひもで縛り倉庫にしまいました(笑)

苦手意識を払拭するため、まずはデジタル技術に詳しい若手職員をテクノロジー推進担当に任命しました。テクノロジー推進担当者は、現場での最適な使用方法を独自で研究した後に、職員に向けて使い方のレクチャーを行ってくれました。

 

森元さん(ケアコン):LINE WORKSは、現場での使用方法を研究し、グループ立ち上げルールやノート機能の運用方法などをまとめ、岡山平田ver.のLINE WORKS取説を作成しました。職員がいつでもルールを確認できるようになり、上手にLINE WORKSを使いこなす手助けになったと思います。

 

赤堀さん(事業部長):今では、“岡山平田ver.”をベースにし各事業所ごとの特徴に合わせた“岡山事業所ver.”が出来上がっており、他ホームにも良い影響を与えています。これまでは、介護職の経験が長い職員が若手職員へ技術をレクチャーすることが教育の形でしたが、テクノロジー導入により若手職員もレクチャーを行うという新しい教育の形を創ることができるようになったと思います。また、ICTから得られるデータがどのように自身の業務に活きてくるのかを職員へしっかり説明できたことにより、「ナースコール減少」「非定時援助の減少」など現場の負担軽減に繋がっていることも理解し、納得感を得ることができました。

LINE WORKS利用イメージ図

 

そんぽの家 岡山平田の目指す今後の展望とは!

安﨑さん(ホーム長):ご入居者さまがこれからやりたいことや夢を、職員だけで対応するのではなくご家族さまも一緒に叶えていくことを目指しています!

未来の介護でQラインが作られてからは、午後になるとご入居者さまがリビングに集まってきて、楽しい声が響くホームに変わりました。そしてQラインを利用し、職員でご入居者さまのやりたいことを少しずつ叶えているところです。今後はご家族さまにも協力をいただき「生まれ故郷に行ってみたい」「家族揃ってみんなで食事がしたい」といったご入居者さまのさまざまな想いに寄り添っていけたら良いなと思っています。

 

これから「未来の介護」に取り組むホームに向けてメッセージをお願いします!

森元さん(ケアコン)

未来の介護の取組みを始めるにあたって、不安はあると思いますが、取組みを進めていくうちに必ず良くなってくることが見えてきます。「次どうなっていくのだろう?」という気持ちを不安ではなく「楽しみ」に変えると良いと思います。

 

ケアコンの森元さんは、2024年度の介護プライドマイスターにも認定されています!!!

介護プライドマイスター認定式については、今後WATCHでも取り上げますので、ぜひご覧ください。

 

安﨑さん(ホーム長)

今までの習慣を変えることは、確かに大変で難しいです。『未来の介護』の目的を職員の皆さんに理解してもらい、同じ方向を向くまでは時間を要しますが、繰り返し説明を行うことで理解を得ることができます。職員の皆さんとしっかり話ができるよい機会にもなります。未来の介護に取り組む前と比較すると、ケアコンが1名少ない状態ですが、Qタイムの充実、ご入居者さまのQOL向上へと繋がっており、取り組み前と比べても適切なホーム運営が出来ています。ワンポイントアドバイスは、まずケアコンにしっかり取組みの説明を行い、職員の立場で一緒に説明をしてもらうことです!!

 

赤堀さん(事業部長)

未来の介護推進メンバーの存在が頼もしく、取組みの説明も理解できるまで何度も行ってくれるので、心配しなくて大丈夫です。職員も推進メンバーもそして、会社も全員味方なので安心して取り組んでもらえればと思います。

 

 

 

岡山平田のみなさん、取材のご協力、ありがとうございました!

 

↓↓↓そんぽの家 岡山平田のホームだよりはコチラからご覧いただけます↓↓↓

SOMPOケア そんぽの家 岡山平田(ホームだより)|介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)|【公式】SOMPOケア (sompocare.com)

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ABOUT USこの記事を書いた人

甲斐愛梨
2023年12月より広報部配属。 趣味はライブ・旅行・サウナ・謎解きです。 SOMPOケアの情報を楽しく、わかりやすく発信していきたいです!