ＳＯＭＰＯケアの挑戦「介護の未来を変えていく」Vol.7～夜勤から“新”夜勤へ～
ＳＯＭＰＯケアは、日本の介護における課題のひとつでもある「介護の担い手不足」に真摯に向き合い、将来介護の担い手が不足しても高齢者の生活を支えていけるように、データ・テクノロジーの導入・活用による介護現場の新しい常識、すなわち「未来の介護」の創造に取り組んでいます。
この「未来の介護」の取組みを通じ、ご利用者さまには根拠に基づくより良い介護を、職員には、人にしかできない介護に注力する働き方の実現によって今まで以上のやりがいと誇りを。さらに、この流れを介護業界全体へ波及させていくことで、私たちは「日本の介護を変える。そして、日本の未来を創る。」の実現に取り組んでいます！
シリーズ7回目は、未来の介護の取組みの中でも大きな意味を持つ「業務組み換え」にスポットを当てます。
西日本第一本部では業務組み換えの際に『深夜勤』を導入したホームがあります。
深夜勤とは、22～23時に勤務を開始し、休憩をはさみ翌朝8時～9時に退勤する8時間勤務のことです。
深夜勤を導入するとどんなメリットがあるの？通常の夜勤の方がよいのでは。。。など、様々な疑問がありますよね。
そこで今回は、西日本第一本部で深夜勤を導入している「そんぽの家 寝屋川寿町」「そんぽの家 星田」２ホームの取組みをご紹介いたします。
ホームの基本情報
そんぽの家 寝屋川寿町
ご入居者さま：49名
平均要介護度：2.5
介護職員数：15名（社員13名／パート2名）
※2024年12月末時点
左上から：中村さん(ホーム長)、小松さん(副ホーム長)、久保田さん(ケアマネ)、山浦さん(ケアスタッフ)、相川さん(ケアコン)
左下から：仲さん(ケアスタッフ)、西山さん(ケアスタッフ)
そんぽの家 星田
ご入居者さま：44名
平均要介護度：2.4
介護職員数：13名（社員12名／パート1名）
※2024年12月末時点
左上から：大西さん（ケアスタッフ）、西山さん（ケアスタッフ）、鈴木さん（ケアスタッフ）
左下から：林さん（ケアスタッフ）、村上さん（ケアスタッフ）
まずは、そんぽの家 寝屋川寿町のホーム長 中村さんへお話を伺いました！
中村ホーム長：皆さん、はじめまして！2024年4月にそんぽの家 寝屋川寿町のホーム長に着任した、ホーム長の中村です。前任のホーム長より、深夜勤を新たに導入し現在も定着していると聞いておりました。
記者：着任してみて、深夜勤導入による現場への影響をどのように感じましたか？
中村ホーム長：そんぽの家 寝屋川寿町は、夜勤２人体制を深夜勤２人体制へ変更しています。夜勤２人体制だった時と比べて、深夜勤２人体制の方が働きやすいという声を聞き、客観的に見てもバタバタせず、落ち着いて業務が出来ているという印象を受けました。深夜勤を導入することにより日勤の人数が増えていることの影響が大きいと感じました。
記者：なぜ深夜勤へ変更すると日勤の人数が増えるのでしょうか？
中村ホーム長：日勤の人数が増える理由をお話するにあたり、まずは夜勤と深夜勤について説明しますね。
夜勤は原則16～10時までの16時間勤務（2時間休憩）で、翌日は必ずお休みになります。対して深夜勤は23～9時までの8時間勤務（2時間休憩）で、翌日も23時から深夜勤のシフトに入ることができます。
※勤務時間はホームによって違いがあります。
記者：夜勤明けは、次の日お休みになるんですね。そうなると、夜勤は実質3日シフトが必要になりますね。
中村ホーム長：そうなんです。続いて、下の表を見てください。これは、そんぽの家 寝屋川寿町で勤務表を作成する際にベースとしているものです。
※勤務時間はホームによって違いがあります。
記者：確かに、夜勤と深夜勤を比較すると、14時～16時のシフト人数が2人増えていますね！
中村ホーム長：はい、深夜勤の導入により、日勤を2名増やすことが出来たんです。
記者：先ほどの「夜勤明けは、次の日お休みになる」ことをふまえると、夜勤（入り）C・Dは別の人がシフトに入るということですよね？
中村ホーム長：そのとおりです！夜勤明けは、シフトに入っている2人が次の日必ずお休みを取るため、ラインに入る人数が減ることになるんですよ。
記者： 14時～16時の勤務人数を2名増やせたことで、どんな影響がありましたか？
中村ホーム長：日勤帯にスタッフが増えたので、ご利用者さまとのコミュニケーションが取りやすくなったという声をスタッフから聞いています。食堂から楽しそうな声が聞こえてくることがとても嬉しいです。
また、スタッフ同士のコミュニケーションも多くなっています。管理者としても、日中に落ち着いてスタッフと話せる機会が多く、コミュニケーションが取りやすいと感じています。
記者：最後に、他のホームにも深夜勤の導入をおすすめしたいですか？
中村ホーム長：もちろんおすすめします！それだけのメリットがあると思っています。
記者：中村さん、深夜勤のメリットについて、よく理解できました。ありがとうございました！
続いて、そんぽの家 星田のホーム長 山本さんへお話を伺いました！
記者：ホームで深夜勤を導入した経緯を教えてください。
山本ホーム長：深夜勤導入は、そんぽの家 星田が2ホーム目の試みになります。
記者：実はこの取材の前に、そんぽの家 寝屋川寿町でお話を伺ったのですが、もしかして・・・
山本ホーム長：お察しのとおりです。笑
以前、深夜勤の導入に取り組んだのは、そんぽの家 寝屋川寿町です。そんぽの家 星田でも、夜勤２人体制を深夜勤２人体制へ変更しました。
16時間勤務の夜勤では、シフトに入ることが難しいスタッフがいたため、深夜勤の導入を決定しました。さらに、今回の変更には未来の介護で目指す姿である「Qライン」と「Qタイム」の創出も目的としました。
記者：「Qライン」は、サービス品質向上の取組みを実施するためのライン（クオリティライン）
「Qタイム」は、サービス品質向上の取組みを実施し、ご利用者さまの豊かな生活を創造する時間（クオリティタイム）のことですね！
山本ホーム長：そのとおりです。深夜勤導入以前は、Qタイムの確保が出来ていませんでしたが、深夜勤を導入したことにより、日中の業務時間内に、「Qタイム」を確保することができました。日勤の人数を増やし、ケアの品質向上に取り組む時間を生み出す狙いがありました。
記者：深夜勤を導入するにあたり、工夫したことはありますか？
山本ホーム長：深夜勤導入の目的を、スタッフ一人ひとりに丁寧に説明しました。「Qライン」を創出し、その時間を「Qタイム」として活用することで、スタッフが本当にやりたかった介護が行えるということを理解してもらうために、何度も話し合いを重ねました。
記者：スタッフさん一人ひとりに目的をしっかり理解してもらうことが大事なポイントということですね。
山本ホーム長が2ホームも深夜勤導入に成功している秘訣がよくわかりました。ありがとうございます！
さらに、深夜勤の導入に対する率直な意見をスタッフの皆さんに伺いました！
・勤務時間が16時間から8時間になったことで、集中力が持続し、ご入居者さまの様子や状態変化により気を配れるようになったと思います。（そんぽの家 寝屋川寿町 ケアスタッフ／仲さん）
・日中のスタッフが増えたことで、シフトの調整がしやすくなり、希望休が取りやすくなりました。また、Qタイムを利用し夢結いノートを作成するためのヒアリングなどの「やりたい介護」ができています。夜勤が無くなったことにより手当は減りましたが、それ以上に業務負担軽減というメリットがあるので、特に気にならないです。（そんぽの家 寝屋川寿町 ケアコン／名越さん）
・Qタイムができたことにより、新しい取組みを行う際に他のスタッフにも関わってもらいやすくなりました。（そんぽの家 寝屋川寿町 ケアコン／相川さん）
・山本ホーム長からの説明で、現状の夜勤で感じていた身体的・心理的負担が軽減されるというポジティブなイメージを持つことができました。実際に深夜勤を導入してから、スタッフから「夜の勤務が楽になった」という声を聞くことが多いです。しかし、シフト作成時にはスタッフのライフスタイルを考慮する必要があり、工夫が求められます。（そんぽの家 星田 副ホーム長／中本さん）
・深夜勤が始まってからは、体が楽になり、早朝の集中力低下もなくなりました。また、日中の在宅時間が増えたおかげで、小学2年生の子供と過ごす時間が格段に増えました。（そんぽの家 星田 ケアコン／金子さん）
・18時間の夜勤は子育て中の私には無理でした。深夜勤になって仕事と子育てのバランスも整い、働きやすくなりました。（そんぽの家 星田 ケアスタッフ／西山さん）
実際に働くスタッフの方々も、ほとんどの方がデメリットよりもメリットを感じているようですね。
皆さんにお話しをお伺いする中で、深夜勤をただ導入するだけではなく、ホーム内で何度も話し合いを重ね、スタッフ全員が納得できる形を目指すことが大切だということを感じました。
そんぽの家 寝屋川寿町・星田の皆さん、お話をお聞かせいただきありがとうございました！！
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